日本の主力となる「H3ロケット」の初号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられましたが、2段目のロケットに点火されずに、指令破壊の信号が送られ、打ち上げは失敗したことが話題になっています。
この記事では
- 「H3ロケット」第2段エンジン着火の失敗理由は?
- 「H3ロケット」に「だいち3号」が乗っていた理由とは?
について調べてまとめています。
「H3ロケット」第2段エンジン着火の失敗したのはなぜ?
JAXAの岡田匡史プロジェクトマネージャは原因について
「まだデータをくまなく見ているわけではないので原因はわからない。ロケット本体の電子搭載機器からエンジンの受け側の搭載装置をつぶさに見ていく必要があると考えている」
とコメントしています。
2023年2月17日にも打ち上げを「中止」していた理由
実は本来「H3」の初号機は2023年2月17日に、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でした。
しかし、打ち上げ6.3秒前にロケットの1段目にある装置が異常を検知、補助ロケットの着火信号はとり辞めて打ち上げは直前で中止となっています。
JAXAと三菱重工業が原因の究明を進めた結果、異常が起きたのは「V-CON1」と呼ばれるロケットの1段目にある装置で、地上設備から送られる電気信号が乱れて装置が誤作動を起こしたことから、電流と電圧の値がゼロになったということです。
本来ロケットは、発射地点に据え付けられた時に発射台のケーブルから電力が供給されますが、これまで打ち上げの際には発射の直前に管制室のスイッチを切るとき、電気と通信を同時に切り離すことをしていました。
この切り離しのときに電気信号が乱れて、ロケットの1段目の装置が誤作動を起こしたとされています。
(NHKニュースより引用)
先月にも誤作動を起こして一度打ち上げをとり辞めているという事ですが、今回の第2エンジン着火の失敗と何か関連があるのでしょうか?
原因解明が待たれます。
「H3ロケット」に「だいち3号」が乗っていた理由とは?
「だいち3号」は日本にとって大切な衛星でしたが、今回のロケットの失敗により失われてしまいました。
「だいち」シリーズは平時には地図作成、災害時には緊急観測などを行う重要な衛星ですが、既に寿命を超過していた2011年に東日本大震災を観測、後に機能喪失して運用終了しました。その後も予算が確保されず、ようやくH3ロケット試験機で打ち上げられたものです。
— 大貫剛🇺🇦🇯🇵З Україною (@ohnuki_tsuyoshi) March 7, 2023
H3ロケット打ち上げ失敗によって、搭載されていた「だいち3号」も失われた。だいち初号機以降途絶していた光学観測のバトンを12年越しに再び握り直す事は出来ませんでした。優秀な能力をもつ大型衛星が失われてしまった事に言葉もありません。 pic.twitter.com/6ZsiUp1zxH
— しきしま (@shikishima) March 7, 2023
大貫さんの話をまとめると、
・政府は予算をケチるため、めっちゃ大事な衛星「だいち3号」をH3ロケット初号機に載せた
・H3の開発遅れで「だいち3号」の配備も遅れていた
・初号機(試作機)には実用衛星を載せないのが慣例だった
・100億ケチったせいで400億の「だいち3号」が失われたって事か
— ジミーちゃん【年度末追い込み期間】 (@0816Jimmy) March 7, 2023
おそらく本日午後には記者会見が行われると思われますが、その時点で原因が発表されるかはわかりません。いずれにせよ、打ち上げは失敗です。
H3ロケットの1機目が失敗したことも残念ですが、2011年に運用終了した「だいち」に替わる新しい光学地球観測衛星「だいち3号」が失われたのは痛恨事です。— 大貫剛🇺🇦🇯🇵З Україною (@ohnuki_tsuyoshi) March 7, 2023
どうやら予算の削減のためにロケットの打ち上げ初号機に大事な衛星を乗せて打ち上げてしまったみたいですね・・・
「だいち3号」には379億円の開発費がかかっています。
関係者のみなさんの並々ならぬ努力を思うと心が痛みますし、かなりの予算をかけて開発した大事な衛星を失ってしまったことも残念です。
しかし、この失敗で諦めずにまた日本のロケットにも頑張ってもらいたいですね。