2023年4月3日に千葉県の房総半島の海岸に30頭あまりものイルカが打ち上げられていたことで、地震の前兆?とSNS上で話題になっています。
イルカの種類はカズハゴンドウで、この種類のイルカが東日本大震災の前にも座礁していた事から、不安になっている方も多いですよね?
イルカやクジラの座礁と地震は本当に関係があるのか気になります。
そこで、今日の記事では
- カズハゴンドウ(イルカ)の過去の集団打上げの記録
- 地震と海洋生物の打上げに関係はある?
を調査してまとめました。
カズハゴンドウ(イルカ)の過去の集団打上げのまとめ
以下に国立科学博物館のデータベースよりカズハゴンドウ(イルカ)の大きな数の集団座礁をまとめました。
発見日 | 頭数 | 概要 |
1927年12月1日 | 113頭 | 茨城県 鹿島郡波崎町波崎海岸出洲 生存→死亡 |
1928年12月24日 | 120頭 | 千葉県 銚子市新生町利根川河口付近 生存→死亡 |
1933年 | 大群 | 千葉県 海上郡銚子町新生地先付近 |
1982年1月6日 | 135頭 | 宮崎県 宮崎市青島海岸 初日に半数を沖に帰したものの翌朝に116頭が再び打上げられました。漂着原因は寄生虫、地形と海の状況と記録されています。 |
1990年2月19日 | 30頭 | 茨城県 鹿島郡鹿島町明石海岸 一部は沖に逃がすことに成功しています。 |
2001年2月11日 | 53頭 | 茨城県 鹿島郡波崎町、地域住民、サーファー、大洗水族館職員、鹿嶋警察署らが救助活動を行ったと記録されています。東大、千葉大、水工研らが調査をして、最低20頭の座礁と14頭以上の死亡を確認しました。 |
2001年3月10日 | 171頭 | 鹿児島県 熊毛郡中種子町長浜海岸、地元住民、町職員、サーファーらが救助活動を行いました。 |
2001年2月24日 | 85頭+24頭 | 茨城県 鹿島郡波崎町波崎海水浴場、町職員とアクアワールド大洗水族館職員らが救助し32頭を波崎漁港に放流しました。この日は茨城県 鹿島郡波崎町柳川海岸でも24頭の座礁がありました。 |
2006年1月23日 | 26頭 | 千葉県 旭市行内飯岡海岸、市、県、漁協職員で救助活動をしましたが再漂着をする個体もあって5頭死亡、翌日1頭死体漂着。 |
2006年2月28日 | 67頭 | 千葉県 長生郡一宮町東浪見、サーファーが救助活動を行って放流しましたが、翌日に再漂着し死亡が確認されました。 |
2011年3月4日 | 54頭 | 茨城県 鹿嶋市下津海岸 地元住民らが救助活動。放流22死亡32 |
2015年4月10日 | 156頭 | 茨城県 鉾田市台濁沢~上幡木、約10kmの海岸に約150頭の個体が座礁しており、鹿島海上保安署や地元住民が救助にあたりました。 |
データを見ると、およそ5〜10年のペースで群れの集団座礁は起きているようですね。
なお、1 〜5頭の座礁はもっと頻繁にあるようです。
他には港内に迷い込んだ群れを漁師さんが沖に追い払うというパターンもありました。
地震と海洋生物の打上げに関係はある?
東北大学東北アジア研究センターの地質学者、石渡明先生の「地震の前兆の可能性がある自然現象」という論文には、
クジラやイルカが浜に打ち上げられる事件は日本だけでも毎年100件以上あり、数10頭以上の群れが座礁することも毎年のようにあるが、その度に大地震が起きるわけではない。
ということが書いてありました。
また、石渡明先生によりますと、
2002年1月26日に鹿児島県大浦町にマッコウクジラ14頭が座礁し、長さ10 m、重さ15トン以上ある大物ばかりだった。同年2月24~25日には茨城県波﨑町の海岸にカズハゴンドウ85頭の群れが座礁した。
同町には2001年2月にも約50頭の群れが打ち上げられた。
しかし、日本では2001年3月24日の芸予地震から2003年5月26日の宮城県沖地震までの間に大きな地震は起きていない。
と記載されています。
確かにデータベースを調べてみて、イルカやクジラの座礁は思ったより頻繁に起きているのだなと感じました。
イルカやクジラの集団座礁の原因は現代はまだ不明とされています。
複数の説があり、集団心理説、社会的自殺説、伝染病説、エサ追い説、天敵説、地磁気説、音響説などいろいろな仮説があるそうです。
【まとめ】カズハゴンドウ打ち上げ過去のデータまとめ。イルカ座礁は地震の前兆や予兆?
地震の予兆と考えられているイルカなど海洋生物の集団座礁。
今日の記事では過去のデータを一覧にまとめて、地震との関係を見てみました。
結果的に、集団座礁は5〜10年のペースで起きていることがわかりました。
また地質学の教授の論文によりますと、海洋生物の座礁は地震の前兆の可能性は低いという事でした。
とはいえ、最低限の地震の備えはしておいて、何があっても大丈夫なようにはしておきたい所ですね(*^^*)